運送会社がホームページを持つことのメリットは?ドライバー獲得につながるホームページ。

ホームページの制作をご検討中の中小運送会社の社長・Web担当の方に向けて、貨物の配送を専門とする運送会社がホームページを持つことのメリットやどのような目的でホームページを作成するとよいのでしょうか?

本記事では運送業界のおかれる現状からこれからの運送会社のホームページをどのように作成していけばよいか解説します。

(倉庫を持ち物流全般に対応する会社や、引っ越しサービスを提供する会社も運送会社に含まれますが、本記事では主に貨物配送を専門とする運送業者に向けた内容となっています。)

運送会社のホームページに求められることとは?

運送会社のホームページに求められるものはどのようなものでしょうか?

ホームページにはネットからのお問い合わせ、新規顧客の獲得、人材採用、ブランディングカスタマイズサポートなど、様々な目的があります。運送会社のホームページに求められることをデザインの観点から見ていきたいと思います。

いくつかの運送会社のホームページのファーストビュー(ページの先頭部分)をピックアップしてみました。運送会社のホームページデザインは、基本的に信頼感や誠実さを強調するものが多く見られます。


なぜ多くの運送会社がかっちりとしたデザインのホームページを持つのかを考えてみましょう。

例えば、貨物配送を専門とする運送会社の場合、Amazon、日本郵便、佐川急便、ヤマト運輸といった大手企業の配送パートナーとして仕事を獲得することが多いです。そのため、Webサイトを通じて積極的に新たな取引先を開拓する機会はそれほど多くありません。ホームページの主な役割は、取引先の企業が会社名を検索したときに、信頼性の高いしっかりとした会社であることを伝えることです。ですので、ホームページには事業内容や会社概要が詳細に掲載され、信頼性を強調したかっちりとしたデザインが多く採用されると考えられます。

確かに、運送会社のホームページは、事業内容や会社概要がしっかりと掲載された信頼感のあるコーポレートサイトであることが重要です。しかし、運送業界の現状を考えると、これまでのような単なる情報提供型のホームページでは十分ではないと感じます。

この考え方は正しいのですが、運送業おかれる現状を見るとこれまでのような作り方だけでは十分でなくなってきているように感じます。

物流2024問題による労働時間規制

物流2024問題とは、2024年に施行される働き方改革関連法によって、トラックドライバーの労働時間が制限されることで、業界全体に影響を与える問題です。このため、ドライバーの労働時間が制限されることで、人員を増やす必要が生じています。

業界の需要拡大とドライバー不足

過去5年間でドライバーの数はほぼ横ばいで、約85万人前後で推移しています。しかし、業界全体の需要は増加しているため、ドライバーの不足が顕著です。さらに、ドライバーの高齢化も大きな課題です。令和3年のデータによれば、ドライバーの45%が50歳以上であり、このままでは15年後には半数が定年を迎えることになります。これにより、人材不足はさらに深刻化する見込みです。

ドライバーの人手不足を解消することが急務

お付き合いのある社長さんに言われました。配送の仕事はたくさんある。ただドライバーがいないと受けることができない。今の運送会社にとってはドライバーを集めることが最重要課題なのだと。

中小運送会社は信頼性を打ち出すだけでなく、人材確保のための工夫が必要です。ホームページは、求人情報の発信や、働きやすい環境をアピールする場としても活用できます。これにより、優秀な人材を惹きつけ、ドライバー不足の問題を解決するツールとして活用することができるでしょう。

ではどのようなコーポレートサイトを作ればよいのでしょうか?運送会社のホームページに求められる要素については、信頼性の高い堅実なコーポレートサイトが一般的でしたが、当社では、中小規模の運送会社のホームページは個性を前面に打ち出し、会社のカラーが分かるようにするべきだと考えています。

個性的なコーポレートサイトの例

手前味噌ですが、弊社で作成したサイトの例を紹介します。
これらのサイトでは、会社の雰囲気やカラーがわかるようなデザインを採用しています。それぞれの企業の特色を反映し、訪問者に強い印象を与えることを心がけてホームページを作成しています。

株式会社AZ様

ご覧のとおり「ネコ」がフィーチャーされています。運送会社なのになぜネコ?と思われる方もいるかもしれませんが、理由は社長がネコが好きだから。こういった経営者の好みを反映させることができのは中小企業のWebサイトの魅力でしょう。大企業ではなかなか真似ができません。でも中小企業のコーポレートサイトはこのくらい遊びがあってもよいのです。この方が経営者の人柄や職場のアットホームな雰囲気が伝わると考えます。

株式会社一心様

社長が元力士という異色の経歴を活かし、相撲のテイストを取り入れたデザインにしました。若い衆の力強さや地元密着で誠実なサービスを提供するという理念が、求人サイトを見て訪れたドライバー希望のユーザーにも伝わり、会社に対してポジティブな印象を持ってもらえると考えます。

株式会社CARAVEL様

神奈川県で軽貨物配送業を営む株式会社CARAVEL様のホームページでは、社長にデザインに関するヒアリングを行った際、理念や仕事で大切にしていることなどをお伺いしました。会社名の「CARAVEL」は船を意味し、ロゴマークは船のハンドル(舵輪)をモチーフにしていることも教えていただきました。この情報を基に、ホームページのデザインには海や船、航海をイメージする要素を取り入れました。こういったモチーフがホームページに散りばめられていることで、経営者の考え方がWebサイトのデザインに反映され、会社のカラーや雰囲気をユーザーに伝えるきっかけになると考えています。

テンプレートを使えばきれいなデザインは出来るけど。。。

最近では、WordPressなどを使ってデザイン性の高いテンプレートでWebサイトを制作することが容易になっています。こうしたテンプレートを使えば、コストを抑えつつ美しいデザインのサイトを作成できますが、画一的なデザインになりがちです。しかし、中小の運送会社がドライバーを獲得する際、賃金や労働条件以外に大切なのは会社の雰囲気です。ホームページができることは、そういった会社の雰囲気を伝えることに他なりません。

そのため、ただ綺麗でかっちりしたホームページよりも、会社や経営者の考え方、趣味・嗜好を表現できるデザインの方が良いと考えます。これにより、訪問者はその会社がどのような雰囲気の職場なのかを感じ取りやすくなり、結果的にドライバーの採用に繋がりやすくなります。

こんな情報を掲載しよう

運送会社のホームページに必要な情報は以下の通りです。

会社概要

会社概要では、運送会社の基本情報を提供します。このセクションでは、会社名、所在地、設立年、代表者名、従業員数、連絡先(電話番号、メールアドレス)、そしてアクセスマップなどを掲載します。これにより、訪問者に信頼感を与え、会社の規模や位置を明確に伝えることができます。

事業内容

事業内容のセクションでは、提供しているサービスの詳細を説明します。一般貨物運送、冷凍・冷蔵配送、定期便サービス、特殊貨物運送、倉庫業務など、具体的なサービス内容を紹介します。また、対応エリアや使用車両の種類と数、導入しているシステムや技術(GPS追跡、冷蔵設備など)についても言及し、会社の強みをアピールします。

実績・事例・保有車両

実績・事例のセクションでは、これまでの取引先や成功事例を紹介します。主要取引先の一覧や具体的な導入事例、成功事例、顧客の声や評価を掲載することで、会社の信頼性と実績を示します。これにより、潜在顧客に対して安心感を与えることができます。

採用情報

採用情報では、現在募集中の職種や応募条件、待遇・福利厚生、採用プロセスについて詳しく説明します。また、社員インタビューや職場風景の写真を掲載することで、求職者に対して会社の雰囲気や働きやすさをアピールします。

スタッフ紹介

スタッフ紹介のセクションでは、社員のプロフィールや役職、担当業務を紹介します。これにより、訪問者に対して親近感を与えることができ、会社の顔としてのスタッフを知ってもらうことができます。また、スタッフの専門性や経験を強調することで、信頼性を高めることができます。

お問い合わせ

お問い合わせのセクションでは、問い合わせフォームや連絡先情報(電話番号、メールアドレス)を提供します。また、よくある質問(FAQ)やチャットサポートも用意することで、訪問者が迅速かつ簡単に情報を得られるようにします。

ブログ・コラム

ブログ・コラムのセクションでは、業界のトレンドやニュース、業務効率化のヒント、ドライバーの日常やコツ、お役立ち情報などを定期的に発信します。これにより、訪問者に対して有益な情報を提供し、サイトへのリピート訪問を促すことができます。また、SEO対策としても効果的です。

これらのセクションをしっかりと整備することで、運送会社のホームページが信頼性と魅力を持つものとなり、顧客や求職者に対して効果的にアピールできるようになります。